この頃、昭和20年代頃の小説がとても読みたくなってしまった。
出来れば『人情味のある』小説を、読みたい。
平成・令和・と忘れてしまった『人情味のある』小説がたまらなく読みたくなってしまった。
井伏 鱒二【,本日休診】を何となく読んでみると、まさしく、人情味溢れた小説で私の心に優しく入っていく。
休診で留守番をしていた医者のもとに、日常の小事件などで次から次へと病院に来る患者を診察する話し!
初老の三曇八春先生の患者に対する応対が、全てに人情味が溢れ、
生きる人々のやるせない思いが、時に哀しく淡々と日常の生活がテンポよく描かれ読んでいて胸に迫ってきます。
十六前、無料で診察をしてあげた患者(湯川 三千代)が、その診察代を持参して初老の三雲八春先生の病院に来て、
たまたま、病院に居合わせた女性(愁子)患者を見て、いたたまれなくなり(湯川 三千代)の家に落ち着くまで住まわせる。
そして、今度は電車の車庫で(お産)で、呼鈴がなり産婆さんでは間に合わないので、
初老の三雲八春先生は休診でウィスキーを、飲み酔いがまわりかけ、
足元はふら付き状態だが、男と一諸に出掛け、休む暇もない。
展開としては、、無料で診察≪帝王切開の手術》をしてあげた(湯川 三千代)と
三千代の息子「春三」(名前は、初老の三雲八春先生の名前を組み合わせて「春三」と名付ける)と、
「愁子」が【本日休診】に大きくかかわっていく。
【本日休診】は人間味溢れ、
人情もさながらユ-モアもあり、令和の今読んでも決して色あせない【本日休診】すらすらと読める本。

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