グリム兄弟が編集した『グリム童話』
〔原題は『子供と家庭のための童話』〕に収めている一編。
ブレ－メンは、北ドイツに一置するかってのハンザ同盟の自由都市。
童話の中で登場する動物たちは、
ブレ－メンを目指したものの結局、町までたどり着いていないが、
ブレ－メン旧市街の市庁舎横には、
ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリからなる
音楽隊のブロンズ像が立てられ、観光客を喜ばせている。
《あらすじ》
ある男が働き者のロバを一匹飼っていました。
しかし、歳を取って仕事が出来なくなると、
飼い主から虐待をうけるようになってしまいました。
ロバは飼い主の家を抜け出して、ブレ－メンに行き「町の音楽師にやとってもらおう。」と考え脱走をします。
ブレ－メンに向かう道中、人間から見捨てられたイヌ、ネコ、ニワトリ、に出会いました。
皆、動物たちは、ロバのブレ－メンに行って「町の音楽師になろう！」の意見に賛成し
ブレ－メンを目指します。
そして日が暮れた森で、夜を明かすことにしました。
ねむる前にもう一度、四方を見わたすと、
森の中に光が見えたので、明かりが灯る家を見つけました。
中を覗いてみると、泥棒たちが美味しいごちそうを食べ、
盗んだ金貨を分け合っていました。
動物たちも、ごちそうを食べたいので、
泥棒を追い出すために相談し、いい方法を見つけました。
まず、ロバが前足を窓わくにかけますと、その背中にイヌが、ピョンと飛びのり、
次にネコがイヌの上によじのぼり、最後にニワトリが飛び上がって
ネコの頭にとまることにしました。
四匹が一どきに大きな声で、音楽をはじめたのです。
窓に映った動物たちの影を見た泥棒たちは、てっきり化け物が入ってきたと思い
恐れをなして逃げ込んでしまいました。
そこで四匹の動物たちは食卓について、かたっぱしから残り物をうまそうにたいらげました。
四匹の音楽師たちは、あかりを消してめいめい体が楽なように眠りにつきました。
森に逃げた泥棒たちは、やっぱし化け物がでるのは、おかしいと思い、
泥棒の子分がもう一度偵察のために真っ暗な家の中に恐る恐る忍び込みました。
動物たちは家に入ってくる泥棒に襲いかかりました。
ネコは引っかき、イヌガが噛みつき、ロバが蹴とばし、ニワトリは突っきました。
暗闇の中で襲われ、散々な目にあったは泥棒の子分は、本当に化け物に襲われたと思い
仲間に報告し、泥棒たちは決して家にはもどりませんでした。
四匹の動物たち、ブレ－メンの音楽師は、その家が非常に気に入り
音楽を演奏しながら楽しく暮らしました。
～【ブレ－メンの音楽師】は、
動物も、人間と同じで《老いてくる》自分は、今までやってきたことがだんだんと出来なくなってくる。
飼い主からは、邪魔者扱いにされてしまう。
《老いてくる》ことはどうすることも出来ない！
動物たちも、（ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリ）も若いころは一生懸命働いてきたのだが
《老いてくる》と, 厄介払いにされてしまう。
でも、ブレ－メンを目指せば、《夢が叶うかも知れない》と、ロバは思った。
ロバが、ブレ－メンを目指していたのは《ハンザ同盟》の中心都市で
《ハンザ同盟》は、バルト海沿岸の貿易を独占し、
ヨ－ロッパ北部の経済を支配していた同盟と呼ばれ、活気があるうえ、
生まれや育ちに関係なく才能のある人が、自分の力を発揮できる！仕事に就くことが出来る！
ロバは、《ハンザ同盟であるブレ－メン》であれば、歳をとっても音楽師になれる？と思った。
（ロバの考えに賛成し、イヌ、ネコ、ニワトリも共に行動した。）
で も、ブレ－メンに行く前に、泥棒たちがいた家で《自由》を手に入れた。
ロバは、仲間（イヌ、ネコ、ニワトリ）と一諸に楽しく幸せに暮らした。
私も、ロバと同じで、《老いてきても》 《夢が叶うかもしれない》と思ったら、
ブレ－メンを目指すが、 その間に《自由》を手にいれたらロバと同じ考えになるだろう。
人生、面白おかしく、楽しく、暮らせたら乾杯！～
【ブレ－メンの音楽師】は、物語のなかではブレ－メンには行ってないし、音楽隊にも加入していない。～
グリム兄弟、ドイツのハーナゥで法律家の子にうまれる。
兄ヤ－コブ・グリム（1785～1863）弟ヴィルヘルム・グリムの兄弟は、ともにマールブルク大学法学部に進学。
学中に、ドイツ古代の文学や民間伝承に興味を抱き、その研究に取り組み始める。
以降、弟は兄に影のように寄り添い、共同で研究を進めていった。
1812年、それまで聞き書きした民間伝承を集めた『子供と家庭のための童話』
（第一巻、八十六話収録）を刊行。
ヤ－コブは生涯独身でヴィルヘルムの結婚後は、弟夫婦と暮らした。
コメント