【たけくらべ】樋口一葉を、読んだ感想!

      

~五千円札でご存知の樋口一葉は、~

~森鴎外や幸田露伴からも高く評価されていました。~

~明治五年、父樋口則義と母多喜の次女として~

~現在の東京都千代田区に生まれました。~

~本名は奈津。~

~士族だった父は、推新後東京府庁の役人となり~

~一葉は、中流といえる暮らしの中で育ちました。~

~幼い頃から向上心が強く、十四歳の時小石川にあった中嶋歌子の~

~歌塾「萩の舎」に弟子入りし和歌や古典を学びました。~

~しかし、十七歳で父を亡くすと、戸主として一家を背負う立場になり~

~それからの樋口一葉にはお金の苦労が絶えることはなかったです~。

~樋口一葉の作品中で最もよく知られる【たけくらべ】は~

~明治二十八年(1895年)一月から、雑誌「文學界」に約一年をかけて~

~連載されました。~

~物語では、女郎になることを運命つけられた少女(美登利)と~

~僧侶の息子(信如)との心のふれあいが語られ、下町で暮らす~

~子供たちの姿が生き生きと描き出されています。~.

《あらすじ》

吉原(よしわら)は、やはり有名な遊郭だけあって、そのにぎわいは

相当なものです。

吉原の周辺に住む人々の多くは、遊郭に関わる仕事に就いておりました。

帯の後ろをきちんと結んだ女性は少なく、柄をえらんで幅も広いものを

結ばずにまくようにしていました。

子供たちまでも、大人を真似て、着物を着崩したり、大人顔負けの口を

きいたりと、ませていました。

その中で中心人物は、十四歳の美登利(みどり)典型的な美人と

いうわけではありませんが、

色が白く鼻筋が通っており、身のこなしも生き生きとして愛嬌もあります。

吉原の売れっ子遊女を姉にもっていることから、気前もいいし性格も勝気です。

龍華寺の住職の息子(信如)(しんにょ)十五歳。

幼い頃はおとなしくて、いたずらをしかけられたりしていましたが、今は校内一の

秀才として誰もが一目置く存在です。

正太郎(しょうたろう)十三歳、高利貸しの息子で美登利と中の良い近所の男の子。

【たけくらべ】の主な登場人物は三人です。

ある雨の日、信如は、姉のもとに使いに行く道すがら、美登利のいる大黒屋の

寮の前で、下駄の鼻緒を切ってしまいました。

誰かが鼻緒を切って困っていると

気づいた美登利は、友禅の布切れをもって、表へ出ました。

そこにいるのが信如とわかると、美登利は顔が赤くなり、

胸の動悸が早くなりました。

恐(おそ)る恐る門に近づくと、信如も気がつきふと振り返ります。

信如は無言のまま、冷や汗が流れます。

いつもの美登利なら、あれこれとまくし立てるところですが、ものも言わず

格子の影に隠れて、立ち去ることもせず、胸が高鳴るばかりでした。

結局、声をかけることもできず、友禅の布切れを格子の隙間からなげました。

しかし信如が気づかぬふりをしているのを見ると、何が憎くて

自分に、つれなくするのかと、やるせない思いにとらわれます。

しかし「えぇい未練がましい。こんな人を思うなど恥ずかしい」と思い切って

美登利は身を翻(ひるがえ)し、寮の中に戻って行きました。

美登利は、やはり信如を強く想っていたのです。

信如もまた、そんな美登利にほのかな想いを抱いていましたが、雨に濡れた

美しい友禅の切れを、ただむなしく見ているばかりでした。

この年の酉(とり)の市の日、正太郎は人手でにぎわう町の店店を回って

美登利の姿を探していました。

美登利と大鳥神社に行く約束をしていたのです。

やがて美しく着飾った美登利に出会った正太郎は、あでやかな

京人形のような美登利に見とれます。

その美しさにを正太郎に褒められても、美登利は、いつもと違う様子で

うちしおれて口数が少なく「私は嫌でしょうがないの」と答えるのでした。

美登利は、信如に抱いていた意地や思いを

胸に秘めたままで過ごしていました。

ある朝、美登利の元へ、造花の水仙が窓から差し入れられていました。

誰がしたことはわかりませんでしたが、美登利はなぜか

慕わしい思いがして、一輪挿しに入れて、その花のさびしく清らかな様を眺めていました。

信如が僧侶の学校に入り、黒染めの衣をまとう身になったのは、

その翌日のことでした。

《私の感想》

~とても、樋口一葉に惹かれてしまいました。~

~樋口一葉は、これからと、言う時、生活苦の末、24歳の若さで肺結核になり

他界してしまいました。~

~小説家としての期間は《奇跡の14カ月》と呼ばれる、短い期間に数々の名作を描きました。

~余りに早世です。~

~半井桃水(なからいとうすい)樋口一葉が、師とも、兄とも、恋人とも、慕った男性です。~

~半井桃水(なからいとうすい)は、対馬出身の小説家・新聞記者で~

~また、日露戦争の従軍記者として知られた人物です。~

~【たけくらべ】は、美登利と、信如の切ない恋物語です。~

~そして、大人になる段階の物語です。~

~美登利は、初潮がきて髪を島田(大人の髪型)にして、

ゆくゆくは、花魁になると思います。~

~信如は、僧侶の学校に入ります。~

~二人は新たな道を歩んでいくことになります。~

~物語の最後の造花の水仙は、信如が差し置いたと思います。~

~造花の水仙は作り物です。~

~二度と子供のように純粋な時には戻れない、二人が一つになることもあり得ない~

~切ない物語です。~

樋口一葉(1872~1896)

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