【ふしぎの国のアリス】ルイス・キャロルを、読んだ感想!

【ふしぎの国のアリス】

物語の登場人物は、

主人公のアリス、公爵(こうしゃく)夫人、

グリフォン、チェシャネコ、三月ウサギ、

ぼうし屋たちが、本から語りかけてくれます。

子どもの頃のわたしも、今のわたしも

とても楽しませてくれる

【ふしぎの国のアリス】

アリスは、好奇心旺盛で、

芯の強さのある女の子です。

ふしぎの国へ、迷い込んだアリスの

夢と冒険の物語です。

《あらすじ》

アリスは、お姉さんとならんで、ちょこんと土手にすわっていました。

お姉さんは、読書中で,

何もすることもないアリスはあきあきして

きました。

アリスは陽(ひ)は暑く、眠たく、頭はぼんやりしてきて。

そこへピンクの目をした白ウサギが

チョッキのポケットから懐中時計をだして

「ああ、弱ったな!弱ったな!こいつは遅刻だぞ!」と

そして、生垣(いけがき)の大きなウサギ穴に飛び込みました。

アリスも次の瞬間、続いて穴に飛び込みました。

ウサギ穴は、真っ直ぐ横にトンネルのように、しばらく続きました。

あまりにきゅうだったので、アリスは踏みとどまる、いとまもなく

ころころと、とても深い井戸の穴にころげおちました。

そこにはぎっしり、戸棚や本棚がはめ込みあちこちに、

地図や絵が木くぎでさげてあります。

そのうち、ドスン!バリバリ!と音がして、アリスは

小枝や枯れ葉の山の上にころげ落ちました。

アリスは目の先に長い道があり、白ウサギがすたこらすたこら

いそいでいくのが見えます。

角を曲がるときには直ぐ追いついたのに、

もう白ウサギの姿は,

見えません。

そしてアリスはてんじょうの低い細長いホールにきていました。

その部屋には四方にドアがあってどれにもかぎがかかって

いました。

と、突然、ばたっと小さい三脚テーブルはガラス張りで、上には

小さな金のかぎが一つだけのっています。

金のかぎは、どのドアにもあいません。

気がつかなかったところに、背の低いカーテンの後ろの

小さなドアがあり、金のかぎを差し込みましたら、ぴったんこです。

アリスは小さなドアをあけると、ネズミの穴より、そう大きくない

小さな道がうねうねと続いてます。

ひざを地面について、のぞいて見ると、生まれてから、まだ

見たこともない、それはそれは美しい花園でした。

小さなドアは、アリスの頭もくぐれません。

アリスは、またテーブルのそばに戻って行きました。

テ-ブルには、今度は小さなびんがのっていました。

びんの首には、紙のラベルは〈わたしをお飲みなさい〉と

印刷してあります。

アリスは勇気をだして一口飲んでみました。

とても美味しくってたちまち、みんな飲んでしまいました。

アリスはもう、たったナイフくらいになっていました。

アリスは、小さなドアのところで気がつくと金のかぎを

置いてきていました。

今度は、小さくなりすぎて、へとへとになるまでテーブルの脚に

よじ登ろうとしましたが滑ってしまい、ぺたんとすわって

泣きだしてしまいました。

そのうちテーブルの下にころがっている、小さなガラスの箱を

見つけました。

中にはとても小さなケーキが入っていて、〈わたしを召し上がれ〉と

ほしぶどうで綺麗に書いてありました。

「では食べましょう」とアリスはいい、ほんの少し食べて

びくびくしながら「どっちかな?どっちかな?」とひとり言を

いっていたら、驚いたことに前と同じ大きさでした。

でもアリスはとても奇妙なことばかり起きるくせがついちゃたので

今度は本気でせっせとお菓子を全部食べてしまいました。

「今度はわたし、どんどん足がのびていくわ」

今アリスの身長は3メートルくらいありました。

アリスは直ぐに、小さな金のかぎをとって花園のそばに

走っていきました。

片目で庭を覗くのが精一杯でした。

アリスは、滝のような涙がながれ続け大きなプ-ルができてしまい

ホ-ルの半分は水浸しです。

しばらくすると、パタパタとさっきの白ウサギです。

りゅうとした服装で白いキッドの手袋、もう一方の手には大きな

扇子を持ってこちらへもどってきます。

ぶつぶつひとりごとをいっています。

「ああ!公爵夫人!公爵夫人!もしお待ちかねだったら、

さぞやお怒りのことだろう!」

アリスは、おぼれる者は、わらをもつかむで、白ウサギでも

助けになるかもしれないと、おずおずと声をかけました。

白ウサギはびっくりぎょうてんして、パタンと白手袋と扇子を

落とし、一目散に暗闇の中に逃げていきました。

アリスはその扇子と手袋を拾い上げ、ホールがとても暑いので

パタパタとあおぎながら一人でおしゃべりしました。

ふと見ると、驚いたことにアリスは白ウサギのちっちゃなキッドの

手袋を自分の手にはめちゃっていました。

また、アリスはぐんぐん縮んで60センチくらいになっていました。

アリスは扇子を握っているせいだと気が付き慌ててすてました。

アリスは金のかぎを取りに行くとき足を滑らせて、あっという間に

ポチャン!顎まで塩水につかってしまいました。

アリスが3メートルくらいの巨人だったとき流した涙のプール

だとわかってきました。

丁度そのとき、パシャン!と水のはねかえる音がしました。

自分と同じように足を滑らして落ちた、ただのネズミだと

分かりました。

プ-ルは水に、はまった小鳥やけものたち、アヒルやドード-鳥

色々な珍しい生き物たちで一杯になっています。

アリスが先に立っていくと、みんなぞろぞろあとについて、岸に

泳ぎ着きました。

岸にせいぞろいしたのは、まったく奇妙なかっこうの一連帯でした。

びしょ濡れの羽をずるずるひきずった鳥たち、毛がべったり

体にへばりついたけものたち、みんな気持ち悪そうに

ふくれっ面(つら)です。

みんなは、どうやって、かわかそうかと、相談しはじめました。

アリスはいつの間にかこの連中と古い友だちのように

仲良く話をしていました。

ついに、みんなの中では顔役らしいネズミが、声を大きくして

いいました。

「諸君、すわて、僕の話を聞きたまえ!じきに諸君を、

からからにほしてあげるよ」

みんなは直ぐに、ネズミを囲んで、大きな輪になってすわりました。

「えっへん!」ネズミはえらそうに、ふんぞり返って

「ウイリアム征服・王ロ-マ法王」などといっていました。

ド-ド-鳥がむっとしたようにいいました。

「われわれのからだをかわかすには、コーカス・レースをやるのが

いちばんだということです」

アリスが「コーカス・レースって?いったいなあに?}

ド-ド-鳥が、まず円をかいて、これをレースのコースにしました。

それから全員は、そのコース線の、そっちこっちに立たされました。

かけ声もなしで、みんなすきなときに走りだして

すきなときにやめるのでした。

でも、30分もそこらはしると、体がらからにかわきました。

ド-ド-鳥が突然「競争終わり!」と、大声でよばわり全員は

ぱっと集まりました。

向こうからぴょこん、ぴょこんと、もどってきたのは白ウサギでした。

さがしものをしているようです。

アリスは直ぐに、白ウサギのさがしているのは、扇子とキッドの手袋

だと分かりました。

白ウサギは、直ぐにさがしまわっているアリスに気がついて、怒った

声で怒鳴りました。

「おい、メリ-アン、おまえはここで何してるんだ?

手袋と扇子をとってこい?いそげ!」

アリスは、すっかりおびえてしまい人違いだと説明できずに、白ウサギ

の指さしたほうへ走りだしました。

綺麗な小さい家に、ぴかぴかな白ウサギの名前の真鍮(しんちゅう)の

表札がでています。

窓ぎわには、白い小さなキッドの手袋3組と扇子がおいてあります。

アリスは扇子と手袋を一組取って、部屋をでようとしました。

ひょいと見ると、鏡の近くに小さなびんがあります。

〈わたしをお飲み〉とは書いた紙は、はってありません。

「何をのんでも、何を食べてもきっと何かがおこるんですもの」

「だから、このびんはどんなことが起きるか、ちょっと試してみましょう。」

アリスはびんの半分も飲まないうちに体がにょっきり大きくなって

ドスント天井につかえてしまいました。

アリスは片方の腕を窓に突き出し、片足を煙突につっこんでいいました。

「もうわたし、どんなことが起きても、どうしょうもないわ、

わたしどうなっちゃうのかしら?」

白ウサギが、家に入れず大勢の声がして小石の雨が窓になげられました。

アリスが大声で「おまえら、こんなこと二度とするんじゃないよ!」

するとあたりは、またしゅ-んと静まりかえりました。

気がつくと、驚いたことに床に落ちていた小石はお菓子にかわっています。

アリスは、これ以上体は大きくなれっこないんだから、お菓子を一つ

ペロリと食べました。

すると嬉しいことに体はぐんぐん小さくなり丁度ドアを通りぬけられる

くらいに小さくなったときアリスは家から走りだしました。

森の中を歩いていくうちにマツタケのかさの上に大青虫は

水キセルをプカプカ加えて、アリスと目があいました。

あまりに小さいアリスは、青虫には、人間とは思っていないようです。

青虫は「片側ならあんたはおおきくなるし、反対側なら小さくなるよ」

アリスは、なんのことだかわかりませんでした。

「マツタケのさ」そして、あっという間に、姿が消えました。

アリスは、気がつくと両手にキノコをもったままです。

用心しながら一つかみ二つかみ、大きくなったり小さくなったり

しながら、とうとう前どおりの背丈にもどりました。

突然家の前に広場があらわれました。

1メートルくらいの高さの家がたっています。

アリスは、右手のキノコのひとかけらをちょぴりかじりだんだん

小さくなって20センチくらいになったとき家に近づきました。

召使は入りたければ勝手にというのでアリスは、自分で

ドアを開けて入って行きました。

広い台所で部屋中、もうもう煙だらけでした。

公爵夫人は、その真ん中で三本足の椅子に腰かけて、

あかちゃんをあやしています。

料理女(コック)、火のうえに体をのりだして大きなスープ鍋を

かきまわしていました。

「確かにあのスープには、コショウがうんとはいりすぎているわ!」

アリスは、くしゃみをしながらやっといいました。

あたりの空気も、まったくコショウだらけです。

公爵夫人でさえくしゃみのしどおしです。

あかちゃんは、のべつまくなしにくしゃみをしたり、オギァオギァ

泣いたりしています。

台所中でくしゃみをしないのは、料理女(コック)と、かまどの上で

にたりにたり、耳までさけそうな大口あいて笑っている、大ネコ

だけでした。

アリスは少しおずおずしながら「なぜ、あなたのネコは、あんなふうに

笑っているのですか?」

公爵夫人に声をかけました。

「あれはチェシャネコじゃ」公爵夫人がいいました。

「だから笑うんです。このブタめ!」

公爵夫人が、最後の言葉をあまり乱暴にいったのでアリスはびっくり

して、とびあがりました。

それは、あかちゃんにいったのです。

料理女(コック)がスープ鍋を火からおろして、いきなりあたりの

物を手あたりしだい、公爵夫人とあかちゃんに投げつけ始めました。

真っ先に、火ばしがふっとび、続いて、いろいろな鍋や大皿小皿が、

雨あられと降ってきました。

「ああ、お願いよ、やめて!」アリスはおびえて、とびあがったり、

しゃがんだりしながらさけびました。

「ほら!あんた子どもが好きなら、あやしてごらん!」

公爵夫人は、ぽ-んと、あかちゃんを、アリスに投げながらいいました。

「わたしは女王様のところへ、クロッケ-遊びをしに、出かける支度を

せにゃならん」そういって部屋を出て行きました。

料理女(コック)はその背中めがけて、バ-ンとフライパンを

投げつけましたが、あやういところで、あたらずにそれました。

アリスは、やっとのことであかちゃんをうけとめました。

「まるで、ちっちゃいヒトデみたいだわ」と、アリスは思いました。

なんとか、あかちゃんを押さえつけて抱くとアリスは外に出ました。

あかちゃんが、ブーブ-すごい声でなくのでアリスは顏をのぞきこんで

二度びっくり。

まぎれもなく正真正銘の本ブタの顏でした。

で、アリスが小ブタを、下におろしてやると、ちょこちょこと静かに

森のなかへはいっていきました。

さっきのチェシャネコがニヤニヤ笑いながら木の枝に

すわっていました。

三月ウサギがいることを教わり、大きな家なのでキノコのかけらを

少し食べて60センチ背が高くなりました。

家のまえでは、テーブルをだして、

三月ウサギとぼうし屋とがそこで

お茶をのんでいました。

二人のあいだには、眠りネズミがぐっすり寝て二人はその背中を

クッションがわりにして話に花をさかせていました。

アリスが同席すると、こたえのないなぞなぞを、ふっかけたり、

女王がくるいだし、首をちょんぎって、死刑の話になり

アリスのことなど気にかけていません。

アリスは「あんな、おとんまのお茶会なんて生まれてはじめてだわ!」

森にでると、一本の木にドアがついていてそこから中に

入れるようになっています。

またもや、あの大広間であの小さなガラステーブルのそばにきていました、

「さあ、今度こそ、もっとうまくやらなくちゃ」アリスは、ひとりごとを

いいながら小さな金のかぎをとって、キノコのかけらを少しかじって

30センチくらいの背丈になりました。

細い小道をおりていきました。

そして、ついにたくさんの花壇、目もさめるほどの美しい花々が

咲きそろい、そちこちに噴水の飛び散っている美しい美しい

庭にでました。

庭の入口には、手足の生えたトランプ三人の庭師が、白バラをせっせと

赤くそめていました。

庭師がアリスに気が付き

「間違って白バラの樹さ、植えちまったんです。で、もし女王様にそれが

見つかりゃ、わしらは全部、首をちょん切られちゃうんでね。それで必死で

女王様のこねえうちに.・・・・・」

そこにハートの女王と兵隊などと、伴なって

白ウサギはむやみにニコニコ愛想笑いをしながら現れました。

女王は、庭師に死刑宣告をしました。

あわれな庭師たちがアリスのところに走ってきて

「お助けください!」

アリスが「あななたちの首を、けして切らせないわ!」と

こ三人をそばにあった

大きな植木鉢のなかに、ぽんと入れました。

女王様が、アリスをクロッケ-遊びにさそいました。

女王様が「位置につけ!」雷のような声で叫ぶと、人々は、四方に

走り出し、お互いにぶつかりあったりひっくりかえたり

それでも位置に

ついてゲームが始まりました。

アリスは、こんなに奇妙奇天烈なクロッケ-場を見たことがありません。

そこは一面に畦(あせ)や畝(うね)だらけのでこぼこの地面でした。

クロッケ-のボールは生きたハリネズミだし

投球つちは、生きた紅ツルだし、

そのうえ兵士たちは体を二つ折りにし手と足でよつんばいになり、

アーチをつくるのです。

プレイヤ-たちは順番もまたず、直ぐに大喧嘩をしながら、

ハリネズミの奪い合いです。

女王様は、かんかんに腹をたてられ、ドンドンと地団駄踏んで

「あの男の首を切れ!」とか「あの女の首を切れ!」と

1分おきにわめき続けました。

チェシャネコが現れアリスに「どんな具合だい」と聞いて

アリスが話すと、もう、分かったので消えてしまいました。

「まあ、またあなたに会えて、本当にうれしいわ!」

公爵夫人はアリスの腕に自分の腕をからませて

一諸に歩き出しました。

公爵夫人がとても、ご機嫌なので、台所で出会ったときは

きっと、コショウのせいで怒ってたんだわと思いました。

公爵夫人は、教訓が大好きでアリスに教えたがります。

その、教訓はこうなのです。

《センスをたいせつにせよ、さらば言葉は、そこから

自然にでてくるであろう》

アリスは、なんにでも教訓をみつけるのが好きなんだろうと、

心の中で思いました。

公爵夫人はアリスにすりよってきました。

第一、公爵夫人はとてもみにくいんです。

第二に背丈はあごをアリスの肩にのせるのに、ぴったりの

高さでした。

それで、あごが、ぎすぎすとがって痛かったのです。

アリスは失礼なことなので一生懸命我慢しました。

女王様が腕組みをして、雷のようなすごい

しかめっまえにつらのような

顏をして二人のまえに立っていました。

「そちらが消えるか、そちらの首がとぶか、ただちに決めよ!」

公爵夫人は、直ぐふっとんで消えました。

女王様はアリスとクロッケ-場へもどりました。

ゲ-ムをしている間中

「あの男の首を切れ!」「あの女の首をきれ!」

とわめきどおしでした。

30分もすると、王子様、女王様、アリスの3人のほかは、死刑の

宣告を受けて、とらえられてしまいました。

女王様が

「そなたは、にせすっぽんをみたことがあるか?」と、

アリスにいいました。

女王様と、アリスが歩きだすと王様が小さな声で

「そのほうたち、皆、許してやるぞ」というのが

アリスに聞こえて、アリスはほっとしました。

二人は怪獣グリフォンのところにいき、

女王様は「起きよ、なまけものめ!このお嬢さんを,にせスポンの

ところへお連れして、身の上話をおきかせするように申せ。

わたしは、さっき命じた死刑の監督をせねばならぬ。」

にせスッポンは大きな目に涙をいっぱいためて

身の上話をはじめました。

「昔はね、わたしも本物のスッポンだったのさ」

それだけ言うと長いこと黙っていました。

グリフォンにせかされて

「わたしは海の中の学校に行ったんだ。毎日学校に行き

最上の教育を受けた。・・・・・・」

グリフォンが、

「さあ、きみゲームの話を聞かせてやりな」

「すごく、きれいなダンスだぜ!」

にせスッポンっは大きなため息をついて、片方のひれの裏側で

涙の目をふきました。

「アザラシや、カメや、シャケ、といった具合にね。

そして、じゃまなクラゲはすっかり追っぱらって・・・・・」

「それから、できるだけ遠くにエビをなげるんだ!」

二人は、おごそかに踊りながらアリスのまわりをぐるぐるまわり

そばにきすぎてアリスの爪(つま)さきを踏みました。

二人は前脚(まえあし)をひらひらふって、拍子を、とりながら

踊り、にせスッポンは、とてもゆっくり悲しそうにうたいだしました。

遠くで「裁判がはじまるぞ!」と

大声に呼ばわる声が聞こえました。

「ゆこうぜ!」グリフォンが叫びながらアリスの手をひいて、

歌の終わるのを待たずに走り出しました。

アリスたちがついてみると、王様と女王様は玉座(ぎょくさ)に

すわって、まわりにはとても大勢が群れ集まっていました。

トランプの札が全部顏をそろえています。

皆の前には、女王様のタルトを盗んだ疑いで

ハートのジャックが鎖につながれて立っており

その左右には兵士がひとりずつついてます。

王様の近くには白ウサギが、片手にトランペットを持ち、

もう一方の手には羊皮紙(ようひし)の巻物を

持って立っています。

アリスは陪審員(ばいしんいん)と動物たちと一諸に裁判を

見守っています。

アリスはとても奇妙な気分になり、だんだん大きくなりだしました。

裁判では証人として一番目ぼうし屋、

二番目公爵夫人の料理女(コック)が

呼びだされました。

続いて三番目はアリス、

アリスは、なにも知らないので「何も、知りません」といいました。

白ウサギが「この紙きれを、たった今拾いました」

「これは手紙ではなく詩です」と白ウサギがいいました。

王様が「囚人がだれかの筆跡をまねたのに違いない」

「おそれながら、陛下それは、わたくしが書いたものではございません」

ジャックがいいました。

女王様が、「まず、先に宣告をくだし・・・・・評決はそのあとじゃ」

アリスが、おもわず「そんなのナンセンスのたわごとよ」と

大声でいいました。

女王様が、「この子の首を切れ!」と金切り声で叫びましたが

だれも身動きできません。

アリスは「あんたなんか、こわくはないわよ」

「あなたたちは、たかがトランプのいち組じゃないの!」

そういったとたんに、トランプの札が舞い上がり、アリスめがけて

おりてきました。

アリス「アッ」と小さな悲鳴をあげて、それをたたき落とそうとして

気がつくとお、姉さんのひざまくらに寝ていました。

お姉さんは木からひらひらとアリスの顏に舞落ちてくる枯れ葉を、やさしく

手で、はらいのけていました。

アリスは長い夢から覚めて

「ああ、わたし、とても奇妙な夢をみたわ!」と

お姉さんに夢の話をしました。

「本当に、摩訶不思議な夢ね。でも、もういそいで家に帰って

おやつをいただきなさい」

アリスは、立ち上がて、走って行きました。

姉は、ほおづえをついて、夕日をみつめながら、アリスの

ふしぎな冒険のことを考えていました。

そして、やがて、アリスは、大人になっても、いつまでも

幼い頃の素直な、愛らしい心を失わないと

思う姉でした。

《私の感想》

【ふしぎの国のアリス】

子どもの頃、読んだときはアリスの無邪気な

可愛さ、トランプ兵、ウサギ、チェシャネコ、

など、思いもつかないキャラクタ-でワクワクして

読みました。

あらためて読んでみますと、私はアリスのような

芯の強さがあるかしら?と考えてしまいました。

道理に合わないことは筋を通して相手に

向かってとがめることが出来るかしら?と。

好奇心旺盛な、アリスを見習って色々なことに関心を

持っていこうと思いました。

ルイス・キャロル(ペンネ-ム)

1898年の1月、66歳の誕生日をまぢかにして

この世を去りました。

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