随分と昔になるが私が子供の頃、【黒猫】の本を、本屋さんで見つけて妙に惹かれて購入した記憶がある。
子供だったせいか不気味な、残虐な、薄気味悪い本だという記憶しか残っていない。

今、改めて読んでみると、エドガ-・アラン・ポ-【黒猫】罪悪は永久的になくなる事はなく普段の生活も変えてしまう事だという事を物語っている本だという事が分かり共感をもってしまった。
可愛がっていた【黒猫】を酒に溺れて殺してしまい、罪悪感からそっくりな【黒猫】を拾ってきた事から話の展開がおきる。
だんだんと、罪に怯え、狂い、愛していた妻さえも殺すまでは読み進んでいくうちに背筋に冷たいものを感じてしまっった。
そして自分の気持ちとは別に、何故か妻殺しを警察に「みつからなければといい!]とまで思ってしまった自分が怖い。
この、【黒猫】は読者も一諸に小説の中に入り一体となって疑似体験ができてしまう本だと思う。
【黒猫】によって罪が露呈した事を恐れていたが、現実となり絞首刑に処せられる運命とまでなってしまったが、本来の自分に戻れて救われたのではないだろうか。
【黒猫】本は怪奇的であり、ゴシック・ホラ-は幻想と現実を混ぜ合わせたものだと思う。
私にとって【黒猫】は心に重くのしかかってしまったようだ。
《作家紹介》

(エドガ-・アラン・ポ-)1809年マサチュ-セッッ州ボストン生まれ
両親は旅役者。ポ-が生まれて間もなく、父親が家族を捨てて失跡。2歳の時母親が病死する。
その後、リッチモンドの富裕な商人アラン夫妻に引き取られ、6歳とき渡英。少年時代は英国の学校でまなぶ。
どして、1年後に中退。ボストンに居を移し、さまざまな職に就いた後、1827年に陸軍に入隊、同年第1詩集を発表。
その後数冊の詩集を刊行。除隊後は叔母の家に居候しながら短編小説を書く。〔壜の中の手記](33)が雑誌の懸賞に当選したのを
きっかけに文芸誌の編集補佐となるも、飲酒癖のため解雇。1836年13歳のいとこと結婚。文芸誌の仕事に戻り、以後精力的に詩や批評を発表。怪奇小説{アッシャ-家の破壊](39)や世界初の推理小説と呼ばれる〔モルグ街の殺人](41)、〔黒猫](43)など代表作が続々と生まれる。1847年に妻を結核で亡くすと、飲酒と奇行に拍車がかかる。1847年メリ-ランド州ボルチモアの路上で倒れているのを発見され、病院に運ばれるが意識は回復せず、40歳で死去。
コメント