【瓜姫(うりひめ)とあまのじゃく】(石川県)ふるさとの昔話を、読んだ感想!

瓜から生まれた瓜姫があまのじゃくにだまされてしまいます。それでも結末はでは働き者の瓜姫は無事に救いだされ、殿さまのお嫁さんになることができます。(あまのじゃくは、鬼の一族です。)

《 あらすじ 》

昔、あるところにじいさまとばあさまがおりました。二人は子どもに恵(めぐ)まれず、貧しくひっそりと暮らしていました。
ある晩のこと、一人の旅人が訪ねてきました。「どうか、一晩泊めてください」「ああ、こんな家でよければどうぞ泊まってください」じいさまとばあさまは快(こころよ)く泊めてやりました。
翌日旅人は、「泊めてもらったお礼に、この種をあげましょう」と言って、瓜(うり)の種を一つくれました。じいさまとばあさまは、その種を大事に大事に育てました。やがて種から芽がでて、大きな瓜が一つなりました。

ばあさまが大きな瓜を包丁で割ろうとすると、瓜はパカッと二つに割れて、中からかわいい女の子が出てきました。

じいさまとばあさまはたいそう喜んで「ありがたい、ありがたい、きっと神さまが授けてくださったに違(ちが)いない」「そうですね、瓜の中から生まれたから、瓜姫(うりひめ)と名づけましょう」と、その女の子を大切に育てました。

瓜姫は、やがて美しい娘に成長しました。そして、それは上手に機織(はたお)りをするようになりました。
トントントン トンカラリン トントントン トンカラリン瓜姫は歌いながら、毎日機を織っていました。

美しい瓜姫のうわさは、やがてお城の殿さまに伝わり、殿さまのもとへ嫁入りすることが決まりました。嫁入りの前の日、じいさまとばあさまは瓜姫の嫁入り支度(じたく)のために町まで出かけることになりました。

「瓜姫や、あまのじゃくには気をつけろ。わしらが留守の間に、家の中に入れてはならんぞ」そう言ってじいさまとばあさまが出かけると、瓜姫は、トントントン トンカラリン トントントン トンカラリンと一人で歌いながら機を織り始めました。

するとそこにあまのじゃくがやってきて、「いい音だ。瓜姫、瓜姫、戸を開けて、機をおるのを見せておくれ」と言いました。
「嫌(いや)じゃ、じいさまとばあさまが開けてはならんと言っておった」「少しでいいから、戸を開けて見せておくれ」「嫌じゃ」「爪(つめ)が入るほどでいいから」

あまのじゃくがあんまりやかましくいうもんで、瓜姫は爪が入るだけ戸を開けてやりました。
するとあまのじゃくは「まだ見えん、ほん少し、指が一本入るだけでいいから」と言います。

そこで指が一本入るだけ戸を開けてやると「まだまだ見えん、もう少し、手が入るほどでいいから」といいます。
瓜姫がさらに開けてやると、あまのじゃくが片手を突(つ)っ込(こ)んでガラッと戸を開けいきなり部屋の中に飛び込んできました。

それから瓜姫の着物をはいで縛(しば)縛(しば)りつけると、俵’たわら)に入れて家の裏の柿の木にぶらさげてしまいました。

そしてあまぞじやくは着物を着て瓜姫に化けると、部屋の中で機を織り始めました。そこに、じいさまとばあさまが帰ってきました。

「瓜姫や、おまえもそろそろ機織りを止(や)めて、ごはんにしょう」と声をかけたが、瓜姫になりすましたあまのじゃくは、「いいえ、今日は食べたくありません」と言って,機織りの部屋からでてきませんでした。

次の日の朝、お城から迎えがきました。

瓜姫に化けたあまのじゃくを、駕籠(かご)に乗せて、家を出ようとすると、家の裏から、「あまのじゃくが駕籠の中、かわいい瓜姫、木の枝に、ほっ、ほっ、ほっ」という声が聞こえました。

駕籠かきが、「何の声じゃ」と立ち止まると、瓜姫に化けたあまのじゃくが駕籠の中から、「あれは、この辺でいつも鳴いている鳥です。気にしないで早くいきましょう」と言いました。
駕籠かきが歩き始めるとまた、「あまのじゃくが駕籠の中、かわいい瓜姫、木の枝に、ほっ、ほっ、ほっ」と声がします。「ずいぶん珍(めずら)しい鳥じゃ。ちょっと見てこよう」
駕籠かきが声のする家の裏に回ってみると、誰かが俵に包まれて柿の木に吊(つ)るされていました。

そーっと俵を降ろして見ると、中には瓜姫が入っていました。驚いた駕籠かきは、あわてて駕籠に戻(もど)りました。「おい、お前はあまのじゃくだな。このにせ者め」駕籠かきがあまのじゃくを駕籠から引きずり降ろすと、あまのじゃくは飛ぶように逃げて行きました。

それから、本当の瓜姫は、駕籠に乗せられて、無事、殿さまに嫁入りしたそうです。

《 私の感想 》

物語りの結末は地方により異なります。
東日本では、瓜姫がしんでいくのが多いようです。
西日本では助けられる展開になることが多いようです。

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