童話【でんでんむしのかなしみ】新美南吉を、読んだ感想!

私の大好きな

とても短い童話です。

色々なことを、考えさせられます。

悲しみ、そして孤独、自分自身でも解決することの

難しさ。

生きることの覚悟、

【でんでんむしのかなしみ】は

深く考えさせられます。

童話【でんでんむしのかなしみ】

一匹のでんでん虫がありました。

ある日、そのでんでん虫は、大変なことに

気がつきました。

「私は、今までうっかりしていたけれど、

私の背中のからの中には、悲しみが

いっぱい詰まっているではないか」

この悲しみは、どうしたらよいでしょう。

でんでん虫は、お友だちのでんでん虫のところにやっていきました。

「私は もう 生きていられません」

と、そのでんでん虫は、 お友だちに言いました。

「なんですか」

と、お友だちのでんでん虫は聞きました。

「私は、 なんという不幸せな者でしょう。わたしの背中の

からの中には悲しみがいっぱい詰まっているのです」

と、はじめのでんでん虫が話しました。

すると、お友だちのでんでん虫は言いました。

「あなたばかりではありません。私の背中にも

悲しみはいっぱいです。」

それじゃ仕方ないと思って、はじめのでんでん虫は、

べつのお友だちのところへ行きました。

すると、そのお友だちも言いました。

「あなたばかりじゃありません。

わたしの背中にも悲しみはいっぱいです」

そこで、はじめのでんでん虫は、また、べつのお友だちの

ところへ行きました。

こうしてお友だちを順々にたずねて行きましたが、

どのお友だちも同じことを言うのでありました。

とうとう、はじめのでんでん虫は気がつきました。

「悲しみは誰でも持っているのだ。私ばかりではないのだ。

私は私の悲しみをこらえていかなきゃならない」

そして、このでんでん虫は、もうなげくのをやめたのであります。

《私の感想》

「悲しみは誰でも持っているのだ。私ばかりではないのだ。

私は私の悲しみをこらえていかなきゃならない」

この最後の言葉に胸が熱くなりました。

生きていることは、取り返しのつかないこと、どうにもならないこと、

解決のできないこと、

悲しみと、ともに生きていかなければいかないと感じます。

この、でんでん虫にはたくさんの仲間がいて、ともに寄り添ってくれる

でんでん虫の仲間たち。

少し、うらやましいと、思ってしまいました。

  

新美南吉(にいみ なんきち)

1913年愛知県生まれ。

本名:正八

わずか29歳で喉頭結核により永眠。

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