【ジ-キル博士とハイド氏】スティーヴンソンを、読んだ感想!

小学4年生の頃【ジ-キル博士とハイド氏】を、テレビか映画で見た記憶がある。

薄すらと覚えているのは、ジーキル博士がとても紳士的でハイド氏は狂気的だった。

今思い出すと、画面は妙に暗い雰囲気で陰湿的なのに、私は不思議と惹かれていった。

私は【ジ-キル博士とハイド氏】の二重人格に幼いながら、とても興味を持ったことを覚えている。

それは、私自身がAB型なので、もしかして私もAとBをもっていて二重人格の要素があるのかも知れないと、単純に思ってしまったからだ。

改めて【ジ-キル博士とハイド氏】を読んでみると、ジ-キル博士は本当に「二重人格」であったのかと考えてしまう。

ジ-キル博士は資産家の家に生まれ勤勉で、善良な人々と交わることを好み、最悪の決点は抑えきらない享楽的な性格。

しかし、人前では威厳を取り繕ろい傲慢な欲望から、二重生活の深みに陥てしまう。

ジ-キル博士は一人の人間が持つ善悪の要素を分離し、それぞれ別の個体に宿らせることを空想すると、とても楽しく日々空想に耽るようになった。

ジ-キル博士は、「善の要素は善をこなすことのみ」に「悪の要素は悪にこなすことのみ」にが喜びを得られると考えた。

やがて、その分離を可能にする薬剤の善悪の完全分離の薬を開発してしまう。

ジ-キル博士は、自ら実験を行い、実験は成功をした。

だが、「薬が完成する、そこまで」の経過は想像を絶する程恐ろしく言葉にはならない程薄気味悪いものだった。

ジ-キル博士は邪悪な部分のみで出来上がったハイド氏に変身してしまう。

暴力的で思う存分本能のまま邪悪な部分をだし、醜い身体を持って今まで抑えていたものを全て破棄だした、その活力と気分の良さに陶酔でもしたかのようだ。

だが、ジ-キル博士はだんだんと、ハイド氏の邪悪な人間性を憎むようになる。

どうにかしてハイド氏をコントロ-ル出来るように、ジ-キル博士は挑むが、ハイド氏の邪悪な力に負けてしまう。

この「薬は偶然もたらした何か分からない不純物が入って出来上がった」ものだからこそ、変身の効力を与えていたことを最後に気がついたジーキル博士。

ジ-キル博士は薬の効果がだんだんと薄れていくことの恐怖!

ハイド氏が、ジ-キル博士よりも、己と言うものの存在を確立してきたことの恐怖!

ジ-キル博士の実験は失敗だった。

ジ-キル博士は、本当に、二重人格であったかと言えば「そうではない」と思う。

誰の心にもある「善徳」と「悪徳」その葛籐で、ジーキル博士は悩み苦しんだ。

ジ-キル博士は、「薬」の成功によりすべての「欲」と「解放」を手に入れられた。

でも、人間は、超えてはいけない領域があってそれに踏み込んでしまった結果が招いたものではないか。

私は人間の心理と心の恐怖を感じてしまった。

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