
(あらすじ)
むかしむかし、大むかしのことですよ。唐(とう)の国の神さまがね、
(十二の動物を選んで、それぞれ一年を守る神さまにしてやろう)と思ったから、お使いをしているネズミを呼んでね、頼んだんですよ。

「動物たちに言っておくれ。明日の朝、私のところに来るように。来たものから順番に一番から十二番までを、それぞれの年の神さまにしてやるからな」
さっそくネズミはね、神さまのお触れを動物たちに伝えに行ったさ。ところがね、ネズミはネコと仲が悪いからね、ネコにはわざとうそをついてさ、わざとね、明後日と一日遅れた日を教えたそうよ。
それからネズミはね、楽をしょうと思ったから、ウシにはね、「あんたはね、足が遅いだろう。だから、今夜から歩いていかないと間に合わないよ」と言ってね、こっそり、ウシの背中に乗ったわけさ。
うしはね、一番になるつもりでね、その日から出かけていって神さまの家の前に着くとね、朝になって門が開くのを待っていたさ。

朝になって神さまが門を開けるとね、そのとたん、ウシの背中に隠れていたネズミがパッっと飛び出して、ウシの前に入ったのでね、ネズミがいちばんになったさ。
だから、ウシは二番になってね、足の速いトラは三番、四番はウサギ、五番はリュウ、そして六番はヘビ、七番はウマ、八番はヒツジ、九番はサル、十番はニワトリで十一番がイヌ、そして最後の十二番はイノシシという順番になったそうよ。

ネコはね,次の日に一日遅れで顏も洗わないでやってきたからね、神さまはあきれてしまってね、
「なんだ、顏もあらわないで。十二の神さまは昨日決めたのにお前はどうして今ごろきたのか。寝ぼけているんじゃないか」と叱られたさ。
そのときになって、ようやくネコはネズミにうそをつかれたと気づいたわけさ。「もうあいつは許せない」だからさ,怒ったネコは、その日からネズミを追いかけまわしているんだよ。自分の子孫にもね。

「われわれは、ネズミのおかげで十二支の神さまに入れなかったんだよ。
いいか、ネズミを見たら、すぐ嚙み殺して食べなさい」と言ったので、ネコはネズミを見ると、追いかけ回して食べてしまうようになったってよ。
それからはね、ネコは顏も洗わないで神さまに叱られたから、今でも暇があると、
顏を洗うみたいに前足で顏を拭いているんだってよ。
《わたしの 感想》
沖縄では、現在も方位を表すのに十二支を用います。
祭りの日取りなども十二支によることが多いので、その由来の、この話は沖縄全域に伝えられています。
むかし、神さまが年号を決めようとネズミに話たら、ネズミがいろんな動物に集合をかけましたがネコには知らせませんでした。
中国では、たぶんネコが、身近にいなかったんではないかと思います。
今は、家庭でもペットとして飼われていますが時代の背景もあるのかもと思います。
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