【ドン・キホ-テ】ミゲル・デ・セルバンテスを読んだ感想!

《簡単なあらすじ 読書感想》

冒険、滑稽で面白く読んでいて泣けてきます。
スペインは、ラ・マンチャ(アルガマシ-リャ・デ・アルバ)に住んでいました。
主人公となる紳士は、名前はキハーダ、あるいはケサ-ダ、ケハ-ナと呼ばれていました。
やがて五十歳になろうとしていました。下級貴族の身分です。
骨組みは、がっしりとしていたものの痩せて頬がこけています。暇さえあれば、我を忘れてむさぼるように騎士道物語を読みふけっていました。

紳士は、来る日も来る日も、夜も寝ずに読み続け、ついには正気を失ってしまいました。
彼は、そうした雲をつかむような絵そらごとが全て真実で、この世でそれ程確かな話はないと信じ込んでしまいました。
自分もひとかどの騎士らしく、我が名に生国の名を付け加えて、ドン・キホ-テ・デ・ラ・マンチャと名のろうと決心しました。

ドン・キホ-テは近所に住む百姓で、正直もので短身、肥満、大食感の男を説得し、
彼と同行し従者することになりましたサンチョ・パンサが百姓の名前です。ドン・キホ-テと、サンチョは冒険に旅立ちます。
風車を、巨人と勘違いしたり、牛の大群を戦争中の軍と勘違いしたり奇想天外な旅を続けます。

公爵夫妻のドン・キホ-テ主従に対する悪ふざけは、面白く読み応えがあります。
ドン・キホ-テの狂人振りを知っていて、サンチョを島の領主として就任させます。

公爵夫妻は、ドン・キホ-テが立派な思想をもっていることに多いに関心します。

公爵夫妻の策略がうまくいってドン・キホ-テとサンチョは村に帰ることになります。
バルセロ-ナに向かったドン・キホ-テと従者は、銀月の騎士との一騎打ちになります。
ドン・キホ-テは地面に叩きつけられて、意識がもうろうとしてしてしまいました。

すっかり、しょげ返ったサンチョは、言葉もなく、どうしたらいいのか分からず、ただうろうろするばかりでした。
鏡月の騎士ドン・キホ-テと、同じ村の学士のサンソン・カラスコです。
三カ月前にドン・キホ-テとの狂気を癒すには、自分が騎士としてなりすまして一戦を交えましたが、その結果運命の悪戯か痛い目にあってしまいました。

再び、ドン・キホ-テを捜し打ち負かして遍歴を諦めさせることで思いを遂げることが出来ました。
銀月の騎士に敗北をきしってからからのドン・キホ-テは、一層やつれが目立ち、もの思いに沈むことが多くなってきました。人間にかかわることで永遠なものは何一つなく、全てはその初めから最後に至るまで常に下降を続けていくものです。
ドン・キホ-テは、激しい熱病に取り付かれて、六日の間床を離れることができなかたのです。
その間、村の司祭、学士、床屋など友人たちは病床に見舞い、善良な従者のサンチョ・パンサは、主人の枕もとを離れませんでした。

医者の診断に寄れば、心の憂いと悲しみが彼の命を徐々に奪ってゆくのでした。

家政婦や姪やサンチョは、さめざめと泣きだしました。
彼は、六時間以上も眠り続け、目を覚ました彼は大声でこう叫びました。

「全知全能の神のありがたさよ!わたしにかくまでの恩恵をたれ給う(たも)とは、神のお慈悲のなんと広大無辺なことよ!人間のおかす罪悪も、このお慈悲を妨げることは到底出来ぬ。」

姪は叔父の言葉にじっと耳を傾けていましたが、これまでと違って随分筋の通ったことを言っていると思いました。司祭が、部屋から出てきて皆にこう告げました。

「ドン・キホ-テ殿は全く正気になって、善人アロンソ・キハ-ナにもどられ、いよいよ臨終を、迎えられますぞ。これから遺言状を、つくるので、我々一同も入るとしましょう。」

ドン・キホ-テは、「友のサンチョ、どうか許しておくれ。この世に遍歴の騎士がかつて存在し、今も存在するという誤った考えに、おまえを陥れ、わたしだけでなく

おまえにまで狂人のような振る舞いをさせてしまってすまなかった。」

「ああ、旦那様!」と、サンチョが泣きながら叫びました。
公証人が「一つわたしの財産は、家政婦に対する、わたしに長年仕えてくれた相当する給金を支払ったうえ、加えて衣服代など、これを全て支払ったうえ姪のアントニア・キハ-ナに遺贈する。」こう言って遺言を終えたドン・キホーテはその場で、失伸状態に陥りベットに長々と伸びてしまいました。
周りの者は、懸命に介抱しましたが、遺言作成の日から三日生き延びました。

もっとも、それでも姪は良く食べ、家政婦はブドウ酒をよく飲んだし、サンチョ・パンサどことなく嬉しそうにしていました。
何か遺産を譲りうけるという喜びは、死者を思いやって人が感じる、ごく自然な悲しみを和らげたり、かき消したりするものです。
公証人は、ドン・キホーテのように、いかにもキリスト教徒らしい大往生を遂げた遍歴の騎士には、これまでいかなる騎士道物語においても出会ったことがないと断言しました。
かくしてドン・キホーテは、その場に居合わせた人々の深い同情と涙に見守られながら、その魂を神に捧げた、つまり死んだのです。

《わたしの 感想》

ドン・キホーテを、読み進んでいくうちに滑稽な騎士ではありますが、手本とする騎士、アマディス・デ・ガウラを真似るために純粋に打ち勝つ心に、とても可愛い人物に思えてきます。
従者のサンチョ・パンサもちょっと、脳みその足りない百姓のサンチョの卑俗で滑稽な行動は読んでいくうちに、中々鋭い人間的な知恵に満ちています。
遍歴の旅をするに連れて、二人は苦労を分かち合い、互いに影響を及ぼし合い、サンチョが、ドン・キホーテの感化のもとに大きく成長してゆきます。

銀月の騎士に敗れて、村に帰ったドン・キホーテは、病に倒れ正気に戻って、それまでの狂気沙汰を否定して死んでゆきます。

サンチョが主人を励まし、(騎士の世界では、勝ち負けは時の運、だから、元気になって、また一諸に旅にでよう。)
なんて、思いやりのある素敵な言葉だと思いました。

ミゲル・デ・セルバンテス

(1547-1616)

スペインの作家。

正規の学校教育はほとんど受けず、兵士としてイタリアやアフリカで戦い、1571年には、史上有名なレパントの海賊に参加し、左腕を負傷した。
その後、海賊に捕えられたり反乱の首謀者となったり数奇な運命を経て帰国。
1585年第1作(ラ・ガラテ-ア)1605年には(ドン・キホーテ)を出版されるや、たちまち世の喝采を博し、10年後に続編を出版した。これらは世界の古典として読み継がれてきた不朽の名作である。

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