「レ・ミゼラブル」⑤~ああ無情~ユゴ-を読んだ感想!

《あらすじ》 ⑤

その男は、ジャンバルジャンでした。彼は、死んではいなかったのです。ツ-ロンの港で、わざっと海に落ち、溺れ死んだように見せかけて、水の中を潜って泳ぎ、一そうの小舟にたどり着いて、夜まで隠れていたのでした。

そして、モンフェルメイュにやって来て森の中で偶然にコゼットに出会ったのでした。ジャンバルジャンは、コゼットがいる宿屋へ泊ることにしまいた。

テ-ブルに向かって腰を降ろし、改めてコゼットの顏をじっと見ました。決して愛らしい少女とはいえませんでした。痩せていて、顏は青ざめ、いつも泣いているので、目は腫れぼったく手には、しもやけができ足は細いのでした。そして、いじけたような、おどおどしたようすが全身に感じられました。ぼろ着のあいだから覗いている肌には、おかみに打たれた青あざのあとが黒く残っていました。

ファンティ-ヌがこの姿を見たらどんなに嘆いただろう!

テナルディエのおかみが突然叫びました。「そうそう、パンはどうしたんだい?」コゼットはパンのことはすっかり忘れていたので、びっくりして飛び上がり、むちで打たれる怖さで嘘をついてしまいました。「パン屋は閉まっていたので買えませんでした。」「本当かい?でたらめ言ったら、勘弁しないからね。まあ、お金をかえしな。」コゼットはエプロンのポケットに手をいれたが、お金がない。真っ青になってしまいました。「なくしたっていうのかい?それともちょろまかすつもりかい?」おかみは恐ろしい声で怒鳴り、壁にかかっているむちに手をかけました。

さっきから、このようすを見ていたジャンバルジャンは「おかみさん、さっきその子のポケットから銀貨が落ちたようで・・・ほら、これじゃないですか。」おかみは、コゼットに渡した銀貨よりも大きい銀貨でしたが素知らぬ顔で受け取り、「二度とこんなことをしたら承知しないからね!」とコゼットに顏を向けて言いました。

このとき、宿屋の二人の娘がそこへ入って来ました。可愛らしい服を着こみ、色つやの良い顏をしていました。二人とも人形を抱いていました。コゼットは、人形がほしくってたまらないのに、一度も人形を抱いたことがないので、二人をうらやましそうに見つめていました。

「こら、怠けちゃいけないよ!しっかり仕事をするんだよ!」と、おかみが怒鳴りました。ジヤン・バルジャンは、おかみの方を振り向いてとりなすような口調で「少しは、遊ばせてやってはどうですか。」おかみは、余計なお世話だとむっとして言葉をかえしました。「とんでもない。食べさせているんですからね。のうのうと遊ばせておくわけにはいかないんですよ。うちの娘たちの靴下を、編ませているんですよ。」ジャンバルジャンはお金を出して靴下を譲ってもらいコゼットに「さあ、あんたの仕事分はわたしが、払ったからね。遊びたいだけ遊んでいいんだよ。」

コゼットは、木ぎれと棒ぎれをだしてきて、ひっそりと人形遊びのまねごとをはじめました。テナルディエの娘たちの人形が直ぐそこに置きっぱなしにされていたので、誰も見ていないので、コゼットはためらったが、生まれてはじめて人形を抱きしめました。娘の一人が直ぐに気がついて「あら、お母さん、コゼットがあたしの人形を!」と叫びました。コゼットは嬉しさに夢中で、そんな声も耳にはいりませんでした。おかみが、「コゼット!何してるんだい!」コゼットは、はっとしてふり向き慌てて人形を下に置くと怯えてすすり泣きはじめました。

ジャンバルジャンは「どうかしましたか、おかみさん。」「どうもこうもありませんよ。あんな汚い手でうちの子の人形に手をだしたんですよ。」ジヤン・バルジャンは、それを聞くと戸口から外に出て行きました。そのすきに、おかみはテーブルの下で泣いているコゼットを思い切り蹴とばしました。

ジヤン・バルジャンは、町の子どもたちがほしくってたまらない(女王さま人形)を腕にかかえて戻って来ました。
「さあ、あんたに買ってきた人形だよ。」コゼットは、信じられないというふうに、ジヤン・バルジャンを、見つめていました。

あくる朝、宿屋の亭主テナルディエは、ジヤン・バルジャンの宿賃をおそろしく高い宿賃にしたが何も言わずに黙って支払いました。おかみは、「大変な不景気で、旦那のようなお客はめったに来てくれませんよ。・・・うちには、やっかい者がおりますからね。」ジヤンバル・ジヤンは、「そんなにやっかいでしたら連れていきましょうか。」おかみは、「本当ですか、旦那。そうしていただけたら大助かりですよ。」そこへ、奥で話を聞いていたテネルディエが、作り笑いを浮かべながら「あの子は、手前共が小さいときから育てまして随分金もかけましたしね・・・」「すると、手ばなさないと言うんだね。」「いや、ただ見合ったお金をいただかないとね。千五百フランいただけたらと思いますが。」呆れるほどの金額だったがジヤン・バルジャンは、言われて金額をテーブルに置きました。

ジヤン・バルジャンは、コゼットを呼んでもらいコゼットに包を渡しながら「さあ、今日からおじさんの子になるのだから、この中のものに着替えておいで。」包の中には八つぐらいの女の子のための、あたたかそうな毛の服、可愛らしい靴くつしたなど一揃い入っていました。

テナルディエ夫婦はもっと金を、請求すればとれるかもしれないと思い「この子の母親は死じまったのですから、この子と関係のあることを証明する書きつけでも、あれば話は別ですがね。」ジヤン・バルジャンは、ファンティ-ヌの署名を見せました。テナルディエは、返す言葉もなく破れかぶれに叫びましたが、ジヤン・バルジャンの落ち着き払った態度と太い杖におじけづき、大きな獲物を捕り底ねたことだけが、何とも悔しい思いでした。

やがて、ジヤン・バルジャンはコゼットを連れて、パリにやってきました。かなり淋しい界隈にある、ゴルボ-屋敷と呼ばれる、大きいけれど酷く荒れ果てた家に住むことになりました。老人と少女の、楽しい暮らしがはじまりました。コゼットは、明るいのびのびした少女にかわり、ひとりでに歌ったり笑ったりするようにもなりました。この古い家には二人のほかには、誰もいませんでしたがコゼットは、ジヤン・バルジャンをお父さんと呼び、ジヤン・バルジャンの方でも自分の娘のように可愛がりその優しい気持ちは日に日に募っていきました。ジャンバルジャンは、自分が新しい人間に生まれ変わったような気がしました。コゼットのために生きているのだと、さえ思いました。コゼットの安らかな寝顔を見つめていると、天国のフアンティ-ヌもどんなに喜んでくれるだろうと思いました。

ジヤン・バルジャンは、市長をしているとき沢山あった財産の一部を、ある秘密の場所に隠しておいたのでした。やがて、この屋敷のひと部屋に一人の老婆が住むようになりました。老婆はジャン・バルジャンたちの部屋の掃除などもしてくれましたが、かなりのおせっかい屋で、ジヤン・バルジャンたちのことを何かと知りたがりました。ある日、老婆はジャン・バルジャンの部屋の隙間からこっそり中のようすをうかがいジヤン・バルジャンは、上着の裾をほどいて、千フラン札を何枚か取り出しているところでした。老婆は目を丸くして驚きこの話は早速老婆の口から伝えられ、近所の女たちのあいだに広まりました。

教会の近くにこの頃、いつも一人の乞食がうずくまっていました。ジヤン・バルジャンは、いつもこっそりと、幾らかの金をめぐんでやっていました。ある晩、いつものようにそこを通ったとき、また小銭を、投げたそのとき、それまでうつむいていた乞食が急に顏をあげて、ちらりと、ジヤン・バルジャンに視線を向けそして、また直ぐに顏を伏せてしまいました。ほんの一瞬のことでした。ジヤン・バルジャンは、はっとし思わずそこに棒立ちになりました。「確かにあれはジャヴェルの顏だ。だが、彼が乞食をしているはずはない。気の迷いだろう。」それから、三・四日経ったある晩ジヤン・バルジャンがコゼットに本を読んでやっていると誰かが表の戸口を開けて彼の部屋を廊下から、そうっと伺っている気配でした。ろうそくを消し、やがて遠ざかってゆく足音に、ジヤン・バルジャンは戸口により鍵穴から覗いてみました。廊下を忍び足で出てゆくその後ろ姿は、おそろしいシャヴェール刑事にそっくりでした。

もう、いっときもためらってはいられなくなりました。ジヤン・バルジャンは大急ぎで部屋を片付けました。さいわい、夕もやが垂れ込め始めていて人影はありませんでした。ジヤン・バルジャンは、コゼットの手を引いて、ゴルボ-屋敷を後にしました。

《わたしの感想》》

娘コゼットと暮らす日々。ジヤン・バルジャンは、自分が生まれ変わったような、気持ちになりました。コゼットとのために生きている、ジヤン・バルジャンは、愛に生きることを、コゼットとにより知り気がつきました。

でも、この幸せは、おそろしいシャヴェール刑事によりどうなっていくのか次回を、⑥宜しくお願いいたしいます。

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