
アンは、想像力豊かで、明るい女の子です。
アンは、周りの人を幸せな気分にさせてくれます。
★⑥赤毛のアンという女の子
(クイ-ン学院)
「アン、今日の午後、あんたがダイアナと出かけているあいだに、学校のステイシ-先生が見えてね。今度、クイ-ン学院を受験する生徒のために、特別クラスを作ることを、考えていなさるのだよ。
普通の授業が終わってから一時間だけ、補習の講義をしてくださる。そこで先生は、マシュ-とわたしに、あんたをそのクラスに入れる気が、ないか尋ねにみえたのだよ。あんたの考えは、どうだね、アン。
クイ-ン学院へ、行って、先生の資格をとりたくはないかい」

「ま、マリラ!」と、アンは思わずマリラにとりすがり、その手を握りしめて言いました。
「それは、ずうっとわたしの夢だったの。先生にはとてもなりたいけれど、
すごくお金がかかるんでしょう。」
「あんたを育てることに決めたその日から、マシュ-とわたしは精一杯の
ことをし、教育もしてやろうと決めたんだからね。女の子が自分で生活出来る
ようにしておくのはいいことだと思っている。この浮世では何が起きるか
分からないんだから、用意しておくに、こしたことはないさ。もし、いきたければ、
クイ-ンの受験クラスに入っていいんだよ。」
「マリラ、本当にありがとう。」アンは両腕をマリラの腰にまわし、胸一杯の
思いでマリラの顏を見上げました。
それから、暫くして受験クラスが作られました。
メンバ-はギルバ-ト・ルビ-・ジエ-ン・ジョ-シ-・チャ-リ-・ムーディ・で
ダイアナは、入っていませんでした。
両親が、クイ-ン学院にやろうとはしなかったからです。

さて、こうしてギルバ-トとアンの競争が始まったのです。
二人は他の生徒たちよりずば抜けてよく出来、誰もこの二人と成績を
争うとするものはありませんでした。
ただ二人だけが、クラスの一番になろうと決心を固めたようでした。
あの池のほとりで、ギルバ-トが謝ったのを、アンがはねつけたその日から
ギルバ-トは、あからさまにアンに対して知らぬふりをしはじめたのです。

アンは、自分でもうろたえてしまうのです
が、ギルバ-ドへの憎しみが、
胸から消えてしまっているのでした。
いつの間にか、アンは自分でも気がつかないうちにギルバ-トを許して
いたことがアンには、今は、はっきり分かりました。
けれども、もう、それは遅すぎました。
プリンス・エドワ-ド島の都シャ-ロットタウンのクイ-ン学院。
アンとギルバ-ドが優秀な成績で入学をしました。
そして、二人の競争は入学後も続いたのです。
二人とも、普通は二年かかる一級の教員免状を一年でとる難しい課程を選び、同じクラスになりました。
アボンリ-から受験した生徒は一人残らず入学しましたが二級免状の過程なので、クラスが別でした。
ギルバ-トとは話すことも出来ず、夜は見知らぬシャ-ロットタウンの下宿に一人いてはじめは酷いホームシックにかかったのです。

そんなある日、ジョ-ジ・パイから、クイ-ン学院にもエイブリ-奨学金が与えられるというニュ-スを聞きました。
アンは、この奨学をねらう決心を固めたのです。
エイブリ-奨学金というのは、ある大金持ちの実業家の遺産をもとにして、島のかなりの
数の学校に分けられてここでは英語と英文学で一番良い成績をとったものに、大学に進む学費として与えられることになっていました。
レドモンド大学にいる四年の間ずっと、一年に(二百五十ドル)ずつ送ろうというものです。

アンは、力の限り、着実に勉強を続けました。
ギルバ-トを競争相手にしていることは、アボンリ-の頃とは変わりませんでしたが、今ではよい競争相手と思い、この素晴らしい相手に勝てばそれだけ自分の努力を誇らしく思うという心境でした。
試験の成績が学校の掲示板に張り出される日です。
学校の入口にかかった大勢の男子学生がギルバ-トを肩にのせ、
大声でわめきながらねり歩いている姿が目に移ったからです。
「メダル受賞者ギルバ-トプライスばんざい!」
「エイプリ-当選はアン・シャ-リ-ばんざい、ばんざい、ばんざあい」
たちまち女性徒が押し寄せてきて、アンは笑いとおめでとうの渦にまきこまれました。
★⑦赤毛という女の子
(次回は最終章です。)
宜しくお願いいたします…
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